お福餅と赤福の違いとは?味・歴史・パクリ疑惑まで徹底解説【伊勢名物そっくり和菓子比較】

お福餅と赤福の違い

伊勢の名物和菓子として長く親しまれている「赤福」と「お福餅」。
どちらもこしあんと餅を使った素朴なお菓子ですが、その見た目のそっくりさから、「お福餅と赤福の違いがよくわからない」「実はパクリなのでは?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
また、SNSなどでは「どっちが美味しいの?」「まずいって本当?」といった声や、「訴訟沙汰になったことがあるって聞いたけど……」といった噂まで飛び交っています。

この記事では、そんな疑問を持ったあなたのために、「お福餅と赤福の違い」をテーマに、味の特徴から原材料、パッケージ、歴史や老舗としての格式、さらには訴訟やパクリ疑惑の真相まで、幅広く徹底解説していきます。
赤福とお福餅、どちらが古いのかという素朴な疑問にも触れながら、それぞれの魅力を客観的に比較してご紹介します。

初めて食べる方も、どちらかを知っていてもう一方が気になる方も、この記事を読めばきっと自分の好みに合った和菓子が見つかるはずです。

この記事を読むとわかること

  • お福餅と赤福の味や原材料の違い
  • どっちが美味しいかの判断ポイント
  • パクリや訴訟といった過去の真相
  • 老舗としての歴史や創業年の比較

お福餅と赤福の違いを徹底比較

お福餅と赤福の違いを比較
  • 味の違いとどっちが美味しいのか
  • 「まずい」と言われる理由の真相
  • 餡と餅の材料・製法の違いとは
  • パッケージや見た目の違いをチェック
  • お土産に選ぶならどっちが喜ばれる?

味の違いとどっちが美味しいのか

お福餅と赤福は、どちらも餅とこしあんを使った和菓子ですが、味にははっきりとした違いがあります。
好みが分かれるポイントでもあるため、どちらが美味しいかは一概には言えませんが、それぞれに特徴的な風味があります。

まず赤福は、こしあんの甘さがしっかりと感じられ、全体的にやや濃厚な仕上がりです。
餅部分はモチモチとした弾力があり、あんとの一体感も高いため、濃い目の緑茶や抹茶と相性が良いです。
特に甘党の方や、上品な和菓子の風味を求める人には赤福のほうが好まれる傾向があります。

一方でお福餅は、あんの甘さが控えめで、素材の風味がより自然に感じられます。
特に小豆の香ばしさや旨味が強調されており、「小豆が好き」という方には満足感が高いでしょう。
餅は柔らかく、とろけるような食感が特徴で、軽やかに何個でも食べられそうなやさしい味です。

こうした違いから、赤福は「ひとつで満足できる甘さ」、お福餅は「飽きずに何個も食べられる軽やかさ」という方向性の違いがあります。
どちらが美味しいかは、甘さの強さや食感の好みによって評価が分かれるところですが、実際に食べ比べると意外に違いをはっきり感じることができます。

味に関しては、どちらが優れているというよりも、「どんなシーンで、どんな飲み物と一緒に楽しみたいか」で選ぶのがおすすめです。

「まずい」と言われる理由の真相

お福餅や赤福が「まずい」と言われることがありますが、それは個人の好みや期待値によるところが大きいと考えられます。
どちらも多くの人に愛されている和菓子である一方、全員にとって「美味しい」と感じられるわけではありません。

まず、和菓子全般に言えることですが、砂糖を多く使ったこしあんの甘さが苦手な人にとっては、どうしても「甘すぎる」「くどい」と感じられることがあります。
赤福の場合、特にあんの甘みがしっかりしているため、洋菓子や甘さ控えめなスイーツに慣れている人には重たく感じられるかもしれません。

また、お福餅に関しては、手作りで形が不揃いなことや、あんの甘さが控えめな分、味にインパクトが少ないと受け取られることもあります。
「素朴すぎて物足りない」「高い割に普通」といった声が上がることもありますが、これはあくまで味の方向性の違いです。

さらに、消費期限が短いため、保存状態によっては風味が落ちてしまう場合もあり、その状態で食べた人が「まずい」と感じるケースもあります。

つまり、「まずい」と言われる原因の多くは、味の好み・期待値・保存状態に関するギャップから来ているものです。
和菓子らしい甘さや素材の味を楽しむ視点を持つと、評価は大きく変わってくるかもしれません。

餡と餅の材料・製法の違いとは

お福餅と赤福の違いを語る上で、原材料と製法の違いはとても重要なポイントです。
それぞれが使用している素材や製造方法には、こだわりがあり、味や食感に明確な差を生み出しています。

赤福は、北海道産の小豆と国産のもち米を使用し、工場で一貫して製造されています。
機械製造により均一な品質を保っており、形や大きさも整っているのが特徴です。
大量生産でも安定した味を提供できる一方、手作り感はあまりありません。

これに対して、お福餅は北海道産「きたろまん」という小豆と、佐賀県産の「ヒヨクモチ」という銘柄米を100%使用しています。
小豆と米の品種名を明記していることからも、原材料へのこだわりが強いことがうかがえます。
さらに、現在でも手作りによる製造を貫いており、機械では再現しづらい柔らかい食感と、小豆本来の風味が引き出されています。

製法においても違いがあり、赤福は清流・五十鈴川の流れを模したあんの形を機械で整えていますが、お福餅は手作業で二見浦の波を模しており、個体差があるのが特徴です。

このように、赤福は均一で美しい仕上がりと安定感を重視しており、お福餅は素材の風味と職人技による手作りの味わいを大切にしていると言えるでしょう。

パッケージや見た目の違いをチェック

お福餅と赤福は、外見がとてもよく似ているため、初めて見る人は混同してしまうことがあります。
しかし、よく見るとパッケージや見た目には明確な違いがあります。

まず、パッケージについてですが、赤福の包装紙には伊勢神宮の象徴である宇治橋が描かれています。
背景は赤みがかったピンク色で、上品な印象があります。
一方、お福餅のパッケージには二見の夫婦岩がデザインされており、同じく桃色系統の包装ですが、神話的な雰囲気を感じさせるデザインです。

中身の見た目にも違いがあります。
赤福は機械で整えられた均一な波形が特徴で、見た目が美しく整っています。
餡の色も濃く、光沢があります。

これに対して、お福餅は手作りのため、1個1個の形に微妙な個体差があります。
餡の色もやや褐色寄りで、光沢は赤福より控えめ。
見た目からも「手作業で作られた温かみ」が伝わってくるのがポイントです。

パッケージや見た目は、単に外観だけでなく、お菓子の背景にある「物語」や「価値観」を伝える要素でもあります。
贈り物として選ぶ際にも、この違いは判断材料の一つになるでしょう。

お土産に選ぶならどっちが喜ばれる?

どちらをお土産に選ぶべきかは、渡す相手の好みや状況によって変わってきます。
それぞれに魅力があるため、特徴を理解して選ぶのがコツです。

赤福は全国的な知名度があり、伊勢といえば赤福、と言われるほど有名です。
特に、伊勢神宮に行った証として持ち帰る人も多く、贈られた側も「赤福なら間違いない」と思える安心感があります。
ただし、賞味期限が短く、夏は2日、冬でも3日程度しかもちません。
すぐに渡せる距離やタイミングが限られる点には注意が必要です。

一方、お福餅は赤福ほどの知名度はありませんが、知る人ぞ知る伊勢の和菓子として、地元では根強い人気があります。
また、消費期限が7日と長く設定されており、多少の日程のズレにも対応しやすいため、遠方へのお土産にも適しています。
甘さ控えめで自然な味わいは、年配の方や和菓子通にも喜ばれる傾向があります。

つまり、赤福は「誰にでも喜ばれる定番のお土産」、お福餅は「少し特別感のある落ち着いた和菓子」として選ぶと良いでしょう。
相手の好みや手渡すタイミングを考えた上で選べば、きっと満足してもらえるはずです。

お福餅と赤福の違いを歴史から読み解く

お福餅と赤福の歴史や背景
  • 赤福とお福餅はどっちが古いのか
  • 「老舗」としての格式に違いはある?
  • 「パクリ」疑惑の真相とは
  • 訴訟など過去のトラブルの有無
  • 名前の由来と意味の違いを解説
  • 地元ではどちらが支持されている?

赤福とお福餅はどっちが古いのか

赤福とお福餅はどちらも長い歴史を持つ和菓子ですが、創業年で比較すると赤福のほうが古くなります。
赤福は1707年(宝永4年)創業とされており、300年以上の歴史があります。
一方のお福餅は、御福餅本家の公式サイトなどで「創業1738年(元文3年)」と記されています。
そのため、創業年だけを見れば赤福の方が約30年ほど早く誕生したことになります。

ただし、実際の起源や地域の文化的背景を考慮すると、単純な比較では語り切れない側面もあります。
江戸時代には伊勢参りの文化が広がり、それに合わせて多くの茶屋や餅屋が参道沿いに並びました。
赤福や御福餅も、そうした文化的土壌の中で誕生し、徐々に現在の形に発展したと考えられます。

また、お福餅が地元で「元祖」と呼ばれることもあるのは、創業年だけでなく、地域の信仰や土地柄に根付いた菓子であるという自負や歴史的背景によるものでしょう。
このように、数字上の創業年だけでなく、和菓子としての成り立ちや土地とのつながりにも目を向けると、より深く理解できます。

「老舗」としての格式に違いはある?

赤福とお福餅、どちらも老舗であることに間違いはありませんが、その「格式」の感じられ方には違いがあります。
赤福は全国的な知名度を持つ一方、お福餅はより地域密着型の印象が強く、それぞれが異なる形で「老舗」としての存在感を放っています。

赤福は、伊勢神宮の門前で営業を続けてきた歴史と、全国の百貨店・駅売店などでの販売網を背景に、日本中にその名を広めてきました。
また、「赤福氷」や「朔日餅」など季節商品を展開することで、老舗でありながらも現代的な工夫を取り入れている点が特徴です。
加えて、創業家が伊勢の商工会議所など地域経済にも深く関与していることもあり、「格式ある伊勢の顔」としての地位を築いています。

一方で、お福餅は派手な展開を避け、手作りや原材料へのこだわりを守り続けてきた点で、職人文化や伝統を重視するタイプの老舗と言えるでしょう。
格式という言葉を、静かに守り抜く伝統と解釈すれば、こちらもまた高い価値を持っています。

このように、赤福は「広く知られる格式」、お福餅は「地元で信頼される格式」と言えるかもしれません。
どちらが上というわけではなく、重んじている価値が異なるのが実情です。

「パクリ」疑惑の真相とは

お福餅と赤福の見た目がよく似ていることから、「お福餅は赤福のパクリでは?」という声が上がることがあります。
しかし、この疑問に対しては歴史的背景や製品の由来を確認することで、誤解が解けることが多いです。

まず重要なのは、どちらの和菓子も江戸時代に伊勢参りの文化の中で誕生したという点です。
当時、参拝者向けに「餅にあんこをかぶせた」和菓子を提供する茶屋や店は非常に多く、赤福やお福餅以外にも同様の商品を扱う店舗が存在していました。
つまり、和菓子としてのスタイル自体が、特定の店だけの独自発明ではなかったのです。

また、お福餅の「お福」という名前は、二見興玉神社に祀られるアマノウズメノミコト(天鈿女命)の通称に由来しており、赤福の「赤心慶福」という語源とは異なります。
これにより、ネーミングの意図も異なることがわかります。

パッケージデザインの類似性が話題になることもありますが、かつては「和橋」の図案が共通して使われていた時期があり、それが混同を招いた一因でもあります。
現在では明確に夫婦岩や宇治橋など、象徴する風景の違いが表現されており、デザインも差別化されています。

このように、似ているからといって「パクリ」と断定するのは短絡的です。
伝統文化から生まれた和菓子には共通点が多いのは当然とも言えます。

訴訟など過去のトラブルの有無

赤福とお福餅の間で「訴訟があったのでは?」と噂されることがありますが、公式に記録された直接的な訴訟は確認されていません。
ただし、過去には商標やパッケージの類似性を巡って、業界内や地元で話題になることはありました。

また、両者はともに食品業界の不祥事として注目された過去があります。
2007年には赤福が「消費期限の改ざん」や「製造日の偽装」に関する問題を起こし、営業停止処分を受けました。
その影響で、お福餅にも一時的に注目が集まりましたが、その後の調査で、お福餅側でも「表示不備」や「先付け(消費期限の前倒し)」が行われていたことが明らかとなりました。

このとき、御福餅本家も自主申告により調査を受け、農林水産省から改善を求められた経緯があります。
つまり、訴訟という形ではないものの、品質表示の問題で両者ともに行政からの指導を受けた時期があったのです。

このような過去を経て、現在では品質管理の透明化が進み、どちらの企業も信頼回復に向けて改善努力を続けています。

名前の由来と意味の違いを解説

赤福とお福餅の名前には、それぞれ意味のある由来が存在しています。
見た目や響きが似ていても、その背景にあるストーリーはまったく異なるものです。

まず「赤福」は、「赤心慶福(せきしんけいふく)」という言葉から取られています。
これは「まごころ(赤心)をもって福を慶ぶ」という意味で、創業者がこの言葉に感銘を受けて名付けたとされています。
さらに「赤」という字には、古語としての「繁栄」や「めでたさ」といった意味も込められており、縁起物としての性格が強調されています。

一方、「お福餅」の「お福」は、伊勢市二見町にある二見興玉神社の祭神である天鈿女命(アマノウズメノミコト)の別称「御福さん」に由来しています。
神様の名前をいただいていることから、こちらも縁起の良さを大切にしているネーミングです。
「福」をもたらすという点では共通していますが、由来のルートが神話と漢語という異なる文化的出発点になっている点は興味深いところです。

このように、似ているようで意味合いや背景はまったく異なり、どちらも独自の物語を持っている名前だといえるでしょう。

地元ではどちらが支持されている?

伊勢地域では、赤福とお福餅のどちらも高い認知度を誇っていますが、支持のされ方には違いがあります。
どちらか一方に偏っているというより、それぞれに根強いファンが存在しています。

赤福はやはり知名度が高く、伊勢神宮の参拝土産として観光客に圧倒的に選ばれる傾向があります。
伊勢市内の店舗数や販売網も広く、駅やサービスエリアなど、手に取りやすい場所で購入できるのが大きな強みです。
また、地元出身者が遠方の知人に贈る場合も、「伊勢といえば赤福」というブランド力から選ばれることが多いようです。

一方で、お福餅は「地元で長く愛されてきた味」として、特に二見町周辺の人々から支持されています。
赤福よりも手作り感や自然な甘さに魅力を感じる人が多く、日常のお茶請けや季節の贈り物として選ばれています。
観光客にはあまり知られていない分、「知る人ぞ知る名品」としての魅力を持っています。

どちらも地元で愛されている和菓子であることに変わりはありませんが、観光客向けの赤福、地元密着型のお福餅という住み分けが自然と形成されているのが実情です。

お福餅と赤福の違いをやさしく総まとめ

お福餅と赤福はどちらも伊勢を代表する和菓子で、見た目こそ似ていますが、実はたくさんの違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴をやさしく整理してご紹介します。食べ比べを検討している方や、お土産選びで迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

  • 赤福は1707年創業で、お福餅(御福餅本家)は1738年創業。創業年で見ると赤福が30年ほど古いです。
  • 赤福は伊勢神宮の宇治橋、お福餅は夫婦岩がモチーフ。パッケージにその象徴が描かれています。
  • 赤福は全国的な知名度を持つブランド和菓子。お福餅は地元密着で、知る人ぞ知る存在です。
  • 赤福のあんは甘さが強く濃厚。しっかりした甘さが好きな方に向いています。
  • お福餅は甘さ控えめで小豆の風味がしっかり。素材の味を楽しみたい人におすすめです。
  • 赤福は機械製造で形が均一に整っています。見た目も上品で美しい印象です。
  • お福餅は手作りのため、1つ1つの形に個性があります。温かみのある見た目が魅力です。
  • 赤福は五十鈴川の流れを模した形状。対してお福餅は二見浦の波を模しています。
  • 賞味期限は赤福が短く、夏は2日・冬は3日。その分、鮮度の高いおいしさが楽しめます。
  • お福餅は賞味期限が7日と長め。遠方へのお土産にも向いています。
  • 赤福は「赤心慶福」に由来する名で、心を尽くして福を慶ぶ意味があります。
  • お福餅の「お福」は、天鈿女命の別称「御福さん」から来た神話由来の名です。
  • 過去に両者とも食品表示に関する問題で行政指導を受けたことがあります。現在は改善済みです。
  • 「パクリ」疑惑はあるものの、どちらも独立した歴史と由来を持つ別物です。
  • 赤福は誰にでも喜ばれる定番土産お福餅は甘さ控えめで上品な味わいを楽しみたい方向けです。

このように見てみると、どちらにも魅力があり、使い分けることでより楽しく味わえます。
ぜひ、好みやシーンに合わせて選んでみてください。

参考サイト