書評

地域活性化に補助金はいらない!継続的に利益を生み出すまちづくりとは?

投稿日:2016年8月11日
更新日:

『稼ぐまちが地方を変える』

こんにちは!くまらぼです。

木下斉さんの『稼ぐまちが地方を変える』という本を読みました。

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内容(「BOOK」データベースより)

人口減少社会でも、経営者視点でまちを見直せば地方は再生する!
補助金頼りで利益を生まないスローガンだけの「地方創生」はもう終わった。
小さくても確実に稼ぐ「まち会社」をつくり、民間から地域を変えよう!
まちおこし業界の風雲児が、心構えから具体的な事業のつくり方、回し方まで、これからの時代を生き抜く「10の鉄則」として初公開。
自らまちを変えようとする仲間に向け、想いと知恵のすべてを吐露します。

地域活性化がさまざまな地方で叫ばれ、国からの補助も交付されていますが、活性化がうまくいっているところは少ないというのが現状なんじゃないかと思います。

僕の出身地も人口数万人の小さな町ですが、駅前の寂れたシャッター商店街や、利用者のほとんどいない立派な箱物など、地方のさまざまな問題点を抱えた町です。

この本で、著書の木下さんは地方に交付される補助金を問題視していますが、僕の出身地の商店街にも補助金が交付されたことがあるようです。

その補助金がどのように使われているのかは分かりませんが、この本で書かれている典型的な無駄な事例のように、どこかの真似のようなゆるキャラが作られたり、一過性のB級グルメイベントのようなものが開催されたりしたみたいです。

ですが、結果としてはシャッター商店街はそのままですし、町はまったく活性化はしていないというのが現状です。

このようなことを見聞きしていたら、従来の地域活性化ってどうなんだろう?と思いますよね。

なので、この本はとても興味深く読むことができました。

以下、内容を紹介していきます。

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著者の木下さんは、高校生のころからボランティアで商店街活性化に関わってきた人物。

様々な現場の失敗と成功を見てきた著者の言葉には説得力があります。

 

著書が特に問題視するのは補助金の存在。

著者がボランティアで活性化に関わっていた商店街は、お金は無いけどメンバーが知恵を出しあうというやり方で、地域で注目される商店街となっていました。

ですが、その商店街に国から数千万円の補助金が出されることになります。

それによって、メンバーの考え方が変わってしまい、従来の商店街活性化の活動は壊滅に向かうことになるのです。

従来にはなかった「予算をもとに何ができるか」という議論がなされるようになり、それを執行するための業務を誰が担うのかという話になってきました。

一部では、醜い争いが続発。
自分の商売に有利になるよう、予算の活用方法を提案する人が出てきたのです。
しまいには、そのお金を目当てにして、外部からいかにも怪しげな人物まで何人も加わるようになっていく、負の連鎖です。

このような事態を目の当たりにした著者は、補助金とは麻薬のようなものだといいます。

誰にも悪意がなくても、お金による支援というのは、相手を一気に蝕むのです。

こうした経験から、著者は、まちづくりも経営であって、自ら利益を出して稼がなければ成功しないと、しきりに述べています。

そんな著者が考える、まちづくりを成功させる「10の鉄則」は以下の通り。

  1. 小さく始めよ
  2. 補助金を当てにするな
  3. 「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
  4. 「全員の合意」は必要ない
  5. 「先回り営業」で確実に回収
  6. 「利益率」にとことんこだわれ
  7. 「稼ぎ」を流出させるな
  8. 「撤退ライン」は最初に決めておけ
  9. 最初から専従者を雇うな
  10. 「お金」のルールは厳格に

なんだか、まちづくりの鉄則というより、起業の鉄則のようにも見えてきます。

まちづくりも経営であり、補助金に頼らず、自腹を切ってリスクをとりながら経営することで健全な発展ができるということなのですね。

 

そして、なるほどと思ったのが、地域活性化によって「誰が得をするのか」を明確にするということ。

従来の補助金を当てにした地域活性化では、全員がメリットを享受することや、全員が合意することが重視されますが、それでは話が進みませんし、あまり尖ったことができなくなりがちなんですね。

著者のいう「得をする」人たちとは、地域の不動産オーナー。

地域が活性化して人が集まることによって、空き店舗が埋まり、活性化の好循環が生まれ、不動産オーナーがメリットを受けることになるというわけです。

そのためにはまず、不動産オーナーを巻き込み、自腹を切らせることも必要になるのですが、それくらいしなければなかなか皆本気にならないのかなと思います。

 

まちづくりというと、「地域活性化」「地方創生」というような、なんとなく曖昧な言葉で語られ、なぜそれをやるのか、目的は何なのかという具体的なことが分かりにくくなっているような気がします。

まちづくりも事業であり、なにをやるのかを明確にして、とにかく利益をあげる仕組みをつくらないと、継続的にうまくいく仕組みをつくるのが難しいんだろうなというのがよく分かりました。

この本からは、「お役所頼み」や「他人任せ」ではダメで自立しなければならないという著者のメッセージがところどころから伝わってきます。

これは、地域活性化だけでなく、さまざまな場面で必要な考え方ですよね。

いろいろ考えさせられる内容の本でした。

 

以上、『稼ぐまちが地方を変える』の紹介でした。

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