こんにちは!くまらぼです。
新海誠監督の映画『君の名は。』を観てきました。
話題になっているだけあって、本当に素晴らしい映画でした。
「高校生のちょっと不思議な恋愛物語なのかなあ」くらいの、ほぼ事前情報の無い状態で映画館に行ってこの映画を観たのですが、いい意味で予想を裏切られてすごく感動しました。
この記事では『君の名は。』の感想を書いていきます。(ネタバレありなので注意です)
この記事の内容
『君の名は。』の簡単なあらすじ
田舎の神社の娘である三葉と、東京で暮らす瀧という少年の2人が物語の主人公。
2人はある日、心と体が入れ替わってしまいます。
前半は男女の入れ替わりによるラブコメタッチのストーリーが展開されるのですが、中盤になって物語は急展開していきます。
突っ込みどころを吹き飛ばすパワー
この映画、単純に楽しめなかった人も多いようで、ネットでの評判を観ると、「あそこのつじつまが合わない」とか「リアリティがない」とか結構細かい点を指摘している意見を目にしました。
確かに疑問が残る点も無くはないのですが、そういう点を吹き飛ばす素晴らしさがあります。
映画館で観ることを心からオススメしたい映画です。
個人的に最後まで疑問が残ったのが、三葉の入れ替わりの相手がなぜ瀧だったのだろうかということ。
三葉の家系に、入れ替わりの能力があるということは示唆されていましたが、入れ替わる相手が瀧だったのは、三葉が「東京のイケメン高校生に生まれ変わりたい」と願ったことから偶然に起こったことなのか、それとも、映画では描かれていなかった瀧の母親が巫女的な能力をもっていたとかなのか。
もしかしたら答えは無いことなのかもしれないですが、いろいろと妄想してしまいました。
震災の記憶
『シン・ゴジラ』もそうでしたが、『君の名は。』も東日本大震災の影響をものすごく受けている映画だと思いました。
『君の名は。』の中盤以降のストーリーは、三葉は村人ともども3年前に起きた彗星の衝突という災害によって死んでしまっているということに瀧が気づき、過去を変えるために奮闘するという展開になっていきます。
この、災害によって1つの村が滅びるという描写が、東日本大震災を思い起こさせる描写でした。
思ったのが、『シン・ゴジラ』にしても『君の名は。』にしても、震災の記憶を映画というフィクションの中に描いた作品がどんどん出てくる時代になったんだなあということ。
物語の作り手に大震災が与えた影響は相当大きいものだと思います。
震災の前であれば、東京を破壊するゴジラも、彗星が落ちて村が消えるというストーリーも荒唐無稽なものに見えていたのかもしれないけど、こういう作品を観てものすごい恐怖とリアリティを感じるのは、観客である僕たち日本人の意識も震災を経て変わったからなのかもしれません。
東京の街が壊滅することも、村が1つ消滅することも、ありえないことではないかもしれないという思いが、こういう作品にリアリティをもたせていると思います。
『君の名は。』での田舎の描き方
最後に、この映画ですごくいいなと思ったのは、田舎を美化していないところ。
たとえばアニメ映画作品でいえば、細田守監督の作品なんかは、すごく良いんですが、モヤモヤした感じが残るんですよね。
「いやいや、田舎を美化しすぎでしょ」と田舎出身の僕としては思ってしまうのです。
その点『君の名は。』では、田舎の閉塞性やなんかがしっかりと描かれていて、主人公の三葉の、「こんな田舎いやだ。東京に行きたい」という気持ちがすごく伝わってきました。
ちなみに物語の舞台はどうも岐阜の飛騨のあたりをイメージしているようです。
以上、『君の名は。』を観て感じたことを書きました。
映像美はホントにすごいですし、物語もテンポが良く分かりやすい内容。
とにかく素晴らしい傑作映画でした。