映画『赤毛のアン(2017)』感想。エラ・バレンタインのキュートな演技が良かった。原作ファンとしては気になる点も

くまらぼです。

5月6日に公開された、エラ・バレンタインの『赤毛のアン』。

初日にさっそく観てきました。

上映館が少ないので、いつも行く浦和ではなく、さいたま副都心のMOVIXさいたまにて鑑賞。

初日の夕方の上映回で、席は3分の1ほど埋まっていました。

 

感想を書く前に言っておくと、僕は『赤毛のアン』という物語が大好きなのですが、そのベースにあるのは1985年に公開されたミーガン・フォローズ版の『赤毛のアン』です。

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なので、どうしても『赤毛のアン』について語るときには30年前に公開された『赤毛のアン』との比較の視点が入ってしまいます。

 

そのうえでエラ・バレンタインの『赤毛のアン』を観た感想を書いておきます。

この記事の内容

 ライトテイストに描かれた『赤毛のアン』の物語

映画を観た率直な感想は、全体的にかなりライトテイストなストーリーになっているなという印象です。

原作ファンとしてはちょっと物足りない部分もありましたが、『赤毛のアン』という物語に初めて出会う入り口としてはいい映画なんじゃないかと思いました。

 

主演のエラ・バレンタインはすごくキュートにアンを演じていました。

 

エラ・バレンタイン版『赤毛のアン』は89分という短い作品です。

『赤毛のアン』は子供向けの作品のように思われていますが、原作は中身の濃い分厚い小説ですし、ミーガン・フォローズ版の『赤毛のアン』は前編・後編を合わせると3時間を超える長編です。

そう考えると、89分という上映時間で『赤毛のアン』の映画を作るとなると、かなり省略しなければならない点が出てくるのは当然です。

 

エラ・バレンタイン版『赤毛のアン』は、原作のストーリーをかなり大胆にカットしたり変えたりしている部分もあって、全体的にライトテイストな作品になっている印象でした。

 

良かった部分も悪かった部分も合わせて、気づいた点をいくつか書いておきます。

キャラクター設定が原作と違う

アンに大きな影響を与えるマリラ・カスバートとマシュウ・カスバート。

この兄妹を演じているのはどちらもベテランの俳優で、さすがの演技力と存在感でした。

マリラとマシュウの描かれ方はすごく良かったです。

 

原作と比べて一番キャラが変わっていたのはマシュウです。

映画冒頭でいきなり転んで堆肥まみれになったり、全体的にコミカルで結構よく喋るキャラクターになっているのは驚きました。

でも、これはこれで良いキャラ変更だと思います。

原作のマシュウは、寡黙ながら独特のウィットやユーモアも持ち合わせている人物なので、そういうマシュウのユーモラスな部分が増幅されて描かれているという感じですね。

小道具がよく作り込まれている

ミーガン・フォローズ版と比べて今回の『赤毛のアン』が良かった点の一つは、小道具がよく作り込まれている点だと思います。

登場人物が着ている洋服や家の内装、食器など、『赤毛のアン』の舞台となっている19世紀後半ごろの様子がより忠実に再現されているような気がします。

どことなくターシャ・テューダーの世界観などとも通じる部分があります。

『赤毛のアン』やターシャの世界観が好きな方は、スクリーンに映しだされる19世紀後半の雰囲気を見るだけでも楽しいかもしれないです。

プリンスエドワード島の風景の描写が少ない

残念だったのは、プリンスエドワード島の美しい風景の描写が少なかったことです。

やはり『赤毛のアン』の映画を観るからには、プリンスエドワード島の美しい風景に入り込みたいわけです。

その点、ミーガン・フォローズ版の『赤毛のアン』では、これでもかというくらいプリンスエドワード島の美しさが描かれていました。

エラ・バレンタイン版『赤毛のアン』では、残念ながら、風景を映し出すシーンでもピンポイントで風景を切り取ったような映し方が多く、奥行きや雄大さはあまり感じることができませんでした。

 

一番がっかりしたのは、グリーンゲイブルズの周りが果樹園でないこと。

白い花が咲くリンゴの木は出てきません。

アンは豚や鶏の世話ばかりしています。

 

ただ、ミーガン・フォローズ版『赤毛のアン』からすでに30年以上が経っていますし、プリンスエドワード島の風景も変わってきているのかもしれません。

もちろん美しい島であることには変わりはないと思いますが、19世紀の風景を再現するのは難しくなっているのかもしれませんね。

 細部の作りが粗い部分がある

ちょっと細かい部分の指摘になりますが、映画の撮り方として雑だなと思う点もありました。

まずは、シーンの切り替え場面でのつぎはぎ感が強いこと。

場面の切り替えのとき、画面がブツッと切り替わるのですが、これが最後まで慣れなかったです。

 

次に、すごく細かいのですが、アンを演じているエラ・バレンタインのピアスの穴が気になってしまいました。

やはり『赤毛のアン』は19世紀のことを描いた時代劇ですし、観に行く人は『赤毛のアン』の牧歌的な世界観に浸りたいわけですよ。

映画を観ているうちにだんだん慣れてきましたが、最初気づいてしまったときは、ちょっと現実に引き戻される感じがしてしまいました。

映画館の大きなスクリーンで見ると結構目立ちます。メイクで隠すなりしてほしかったですね。

おわりに

いかがでしたか?

エラ・バレンタイン主演『赤毛のアン』の感想を書きました。

『赤毛のアン』に思い入れがあるだけに、いろいろ気になる点もありましたが、基本的にはいい作品だと思います。

特に小道具や服装などは一見の価値があります。

映画のラストは原作とは違いますが、89分という尺でうまくまとめた良いラストでした。

 

カナダではすでに続編も制作されているそうです。

おそらく続編も観に行くと思います。

続編が日本で公開されるのを楽しみにしています。

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