くまらぼ(@kumalabo_blog)です。
ウディ・アレン監督の最新作『カフェ・ソサエティ(Café Society)』を観てきました。
ユナイテッド・シネマ浦和にて、金曜日の夜に鑑賞。
3分の2ほどの席が埋まっていました。
映画を観終わった直後の率直な感想は「やっぱりウディ・アレンは良いなあ」ということ。
映画の世界観にどっぷりと浸ることができた幸せな2時間の映画鑑賞でした。
それにしても、80歳という年齢でこの世界観を作り出せるとは。
なんて感性が若いんだろう。
映画の個人的な満足度を言うと、100点満点中の80点くらい。
ぜひオススメしたい素晴らしい映画です。
それではさっそく『カフェ・ソサエティ』の紹介をしていきます。
ネタバレありですのでご注意ください。
この記事の内容
『カフェ・ソサエティ』のざっくりとしたあらすじ
舞台は1930年代のハリウッド。
華やかな映画業界で働くことを夢見て、ニューヨークからボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)という青年がやって来ます。
ボビーの叔父フィル(スティーブ・カレル)は、ハリウッドで成功を収めた大物エージェント。
ボビーはフィルのもとで働くことになります。
そこで出会ったのが、フィルの秘書として働くヴェロニカ(クリステン・スチュワート)という女性(ヴォニーという愛称で呼ばれています)。
ボビーは一目でヴォニーのことが好きになりますが、ヴォニーには既婚者の恋人がいます。
積極的なアタックでヴォニーの心を射止めたボビー。
結婚の約束までして一緒にニューヨークへ戻ろうとしていたのですが…。
ここからネタバレ
ヴォニーが付き合っていた恋人とは、実はフィルでした。
フィルは妻と離婚してヴォニーに求婚。
ボビーとフィルの間で揺れるヴォニーですが、フィルの求婚を受け入れることに。
失意のボビーは1人でニューヨークへ戻り、兄の経営するナイトクラブの支配人になります。
ハリウッドで培ったコネを使い、ナイトクラブを一流の店に育て上げたボビー。
かつての恋人と同じ名前を持つヴェロニカ(ブレイク・ライブリー)という美女と結婚して子どもも生まれ、順風満帆に見えた彼の前にかつての恋人ヴォニーが現れます。
実はボビーはずっとヴォニーへの思いを抱き続けていたのですね。
でも2人とも、かつてとは変わっています。
あの時ああしていれば別の人生があったかもしれない。
でも人生は一度きり。
ちょっとほろ苦い大人のラブロマンスでした。
『カフェ・ソサエティ』キャスト紹介
主人公のボビーを演じるのはジェシー・アイゼンバーグ。
絶妙なダサさというか、垢抜けなさがあっていい役者さんです。
ニューヨーク生まれでポーランド系ユダヤ人の家庭で育ったそう。
映画のストーリーでは、ウディ・アレン監督はボビーに自己を投影しているのかなと少し思ったのですが、ニューヨーク生まれのユダヤ系という経歴も似ていますね。
『ローマでアモーレ』でウディ・アレン監督作品に出演。
ヴォニー役のクリステン・スチュワートとは『アドベンチャーランドへようこそ』『エージェント・ウルトラ』の2作品で共演しています。
ヴォニーことヴェロニカを演じるのはクリステン・スチュワート。
美人です。そして目力がすごいです。
ボビーが一目惚れするのも分かります。
1930年代のレトロなファッションがすごく似合っていました。
ボビーと結婚するもう一人のヴェロニカを演じるのはブレイク・ライブリー。
ウディ・アレンが好きそうなブロンド美人です。
セレブな美女といった雰囲気を醸し出していますが、サメとの闘いを描いた映画『ロスト・バケーション』のような肉体派の作品にも主演しているんですね。
『ロスト・バケーション』は見逃していたけど、今度観てみよう。
ボビーの叔父フィルを演じるのはスティーヴ・カレル。
コメディからシリアスまでこなすベテラン俳優。
ウディ・アレン監督作品には『メリンダとメリンダ』などに出演。
映画の中では、成功を収めたエージェントでありながらも、絶妙なダサさやカッコ悪さをうまく醸し出していて良かったです。
恋をしている男なんて傍から見たらダサくてかっこ悪いんですよね。
そんな部分をうまいこと出してくるウディ・アレン監督、やっぱり好きだなあ。
『カフェ・ソサエティ』感想
『カフェ・ソサエティ』を観て思ったことを書いていきます。
こちらが『カフェ・ソサエティ』の予告動画です。
たぶんですけど、この予告を見たイメージと実際の映画は全然違います。
ウディ・アレン作品には、邦題の付け方だったり宣伝の仕方がちょっと変だったりすることがありがちですけど、『カフェ・ソサエティ』の予告もちょっと内容と違うかなという感じです。
予告編では「同じ名前の2人の美女に囲まれてさあ大変!」という雰囲気ですが、そんなノリではありません。
映画のストーリーは、まさに大人のラブロマンス。
かつての恋人を思い、別の人生もあったかもしれないと思う。
そういう意味では「タラレバ」もののストーリーです。
ハリウッド、映画への愛、ウィットにとんだ会話、ジャズ、時が経ち変わってしまった2人。
などなど、映画の特徴を並べてみると、『ラ・ラ・ランド』とすごく共通していて似ている部分がたくさんあります。
[st-card id=”2239″]ただし『ラ・ラ・ランド』が割りとシリアスに真面目に人生のほろ苦さを描いていたのに対して、『カフェ・ソサエティ』はあくまで陽気で明るく人間臭いという印象でした。
まあストーリー自体は正直それほど特筆すべきところはないかもしれません。
この映画の素晴らしいところは、なんといってもスクリーンに映し出される世界観です。
1930年代のハリウッドとニューヨーク。
その華やかな社交界にタイムスリップしたような臨場感のある映像と、全編で流れるジャズの心地よさ。
古き良きアメリカやジャズが好きな人はぜひ映画館で観てほしい映画です。
映画の世界にどっぷり浸ることができると思います。
そんな世界観に、しっかりとウディ・アレンらしさも醸し出されています。
2人の美女、ユダヤ人ネタ、ちょっぴりバイオレンス、会話劇、人生の美しさ、人生のほろ苦さ。
そういった要素を含んだストーリーがテンポよく展開していきます。
余韻があるラストもすごく良かった。
ウディ・アレン作品って、ちょっと難解だったりアクが強かったりする印象もあるのですが、この作品に関してはそういうアクの部分は少なく、ウディ・アレンのいいところ全開という感じでした。
映画って良いなあとしみじみ思える映画でした。
音楽も本当に良かったです。サントラ欲しい!